2011年4月30日土曜日

石油という名の奴隷


現代文明は、石油の上にプカプカと浮かんでいるようなものだ、とたとえられることがあります。文明は、「余剰食糧」によって誕生したものですが、「余剰食糧」とは突き詰めれば「余剰エネルギー」のことだとも言い換えられるでしょう。

現代文明は、主に石油を中心とした化石燃料によって、その「余剰エネルギー」を生み出しています。

石油がエネルギー源として優れているのは、「常温で液体」という性質によるところも大きいと考えられます。「常温で液体」だから、内燃機関(エンジン)を動かすことができるのです。石油で飛行機は飛びますが、「常温で固体」の石炭では飛行機は飛びません。

現代社会は、「常温で液体」の石油に最適化された社会を作り上げています。船舶も、飛行機も、自動車も、トラクターも石油によって動かされています。

上のイラストは、そんな石油文明に生きる「現代人」を風刺したものです。文句もいわずに働く「石油という名の奴隷」の上に現代人は立っているのです。一般的な現代人は、1人で60〜100人分の「石油という名の奴隷」を抱えているようなものだと計算されています。

「石油ピーク」は、この状況に否応なく変化をもたらすことになるでしょう。「安く大量に奴隷を抱えられた時代」は終わりを告げようとしています。

この現実に気がついた時、私たちはどのような政策的対応をとるべきなのでしょうか。Creative Policyが求められている所以です。