2011年4月29日金曜日

地球からこぼれ落ちる人類?

このイラストは、石井吉徳先生(東京大学名誉教授、元国立環境研究所所長、もったいない学会会長)が描いたものです。

地球から人類がこぼれ落ちていることを示しています。このイラストが描かれたのは、1984年のこと。今から約30年前のことです。

このイラストは、1984年当時の地球について描いたというよりも、来たるべき将来を予測して描かれたものだと思われます。そして、2011年の現在、このイラストは現実のものとなりはじめているのではないでしょうか。

イラストが発するメッセージはいたってシンプル。「有限地球において無限成長はあり得ない」、この一言に尽きます。

産業革命以来、人類はかつて経験したことのないスピードで経済規模を拡大し続けてきました。経済成長は「利便さ」を生みだし、「豊かさ」の源泉だとも考えられてきました。

しかし、「有限地球において無限成長はあり得ない」。石井先生は、地球物理学者。地球物理学が扱う時間のスケールからすると、この数百年などほんの一瞬のこと。上のイラストは、ごく自然に頭に浮かんだことでしょう。

とはいえ、頭ではわかっていても、どうしていいのかわからない。でも、このまま突き進むことは原理的に不可能です。だからこそ、従来の発想を超えた思考の枠組みで、Creative Policyを打ち出していく意味があるのだと思います。

有名な理論物理学者、アルバート・アインシュタインは、「ある問題を引き起こしたのと同じマインドセット(心の枠組み)のままで、その問題を解決することはできない」という言葉を残しているそうです。

次の時代を切り開くCreative Policyは、これまでとは違うマインドセットを獲得するところからはじまるのだと言えそうです。